Posted: 6月 8th, 2011 | Author: TOM KAWADA | Filed under: PUBLICATION, SERIAL | Tags: CBCNET, 川田十夢, 辞書 | No Comments »

辞書は素晴らしい。作為に満ちた起承転結も、不自然な伏線も存在しない。膨大なページ数に、無重力の言葉たちが整然と羅列されている。紙質もいい。バラバラと辞書をめくるだけで、知識の襞(ひだ)が増えてゆく感覚がする。要するに、ちょっと賢くなった気分を味わうことができる。
うっかり文学的な書き出しから、一年ぶりにCBCNETの連載を再開させました。三回目のテーマは辞書。最近、あらゆるメディアで重力と意味を帯びた言葉が氾濫していますが、そういう時には無作為に言葉や概念との出会いを楽しんだ方がいいかなと、最近僕が気に入っている辞書を8冊ほど紹介しています。
CBCNET Dots & Line
A Folk Dance DE VASCODAGAMA
第三回 「余の辞書に不可能という文字はない。虚栄心という文字はある。」
執筆+編者+撮影:川田十夢
Posted: 5月 11th, 2010 | Author: TOM KAWADA | Filed under: NEWS, PUBLICATION, SERIAL | Tags: CBCNET, 川田十夢, 毒蝮三太夫 | No Comments »
何故かいつもパンツを履いていないあの娘のメメメを、どうしたら自然に拝むことができるか?それが、僕にとっての最初の企画でした。
トリッキーな書出しから始まるCBCNET Dots & Line “A Folk Dance DE VASCODAGAMA 2″のテーマは企画。幼少期から企ててきた悪ふざけとも言うべき企画の数々を振り返りつつ、企画という行為の素晴らしさ、そしてそれを伝えることの大切さを説いています。前回の連載開始を伝える記事では、連載タイトル秘話について明らかにしましたが、今回はボリューム的にCBCNETには収まりきれなかった企画のうち、一つだけここで明らかにしたいと思います。

-毒蝮三太夫の真実-
毒蝮三太夫、ご存知ですか?ラジオ番組で、お年寄りを捕まえては「汚ねえババアだな!」「ヴァスコ・ダ・ガマみてえな顔しやがって」「あと2、3年だぁ」と暴言を吐いては、うっかり爆笑をかっさらうという特異な芸を持っているタレントさんです。僕は学生時分、彼の存在に異常な興味を抱き、彼が番組で訪れる会場へ一度足を運ぶことにしました。いざ現場に足を運んでみると、その爆笑の仕組みは実に巧妙かつハートウォーミングであることを知りました。
彼はまず、会場の客席が埋まりきらない時間から、楽屋でダベることなく、会場をオモムロに練り歩き始めます。そして一人一人に「椅子、固くないかい?」「会場は寒くないかい?」「お孫さんは元気かい?」と声を掛けてゆきます。本番開始までの限られた時間ですので、全員に声を掛けられる訳ではないのですが、世代も境遇もほぼ同じだからなのでしょうか。お客さん達は、近くの人に声をかけられていても、まるで自分が声をかけられたように大きく頷いていました。そして、会場全体の心があったまった所で本番。毒蝮三太夫は、態度を急変させます。ヘルシンキ・シンドロームじゃないですが、群衆心理というのは非常に不思議なもので、一度気心が知れた仲の人がマイクをもって客席を練り歩いていると、むしろ他人行儀な事は言って欲しくないという心理状態に陥ります。僕も本番前、客席を練り歩く毒蝮さんから「お前さんは何でこんな所に来てるんだ?」と聞かれ、「勉強させてもらいに来ました。」「勉強は学生のうちに全部やっておかないといけねーや。お前さんは偉いね。」と一通りの儀式を終えていました。そして本番で一変、「お前なんでこんな会場来てやがんだ。単純に暇なのか、相当なマニアなのかどっちかだな。」と突っ込まれ、会場は大きな笑いに包まれました。
毒蝮三太夫の真実。それは、「自分のことをちゃんと分かってくれている」人だから許せる、むしろ距離を縮めるための毒舌だったのです。
他にも色々とユニークな企画があるですが、それはまた別の機会に。川田十夢でした。

CBCNET Dots & Line
A Folk Dance DE VASCODAGAMA
第二回 「さよなら参画、またきて刺客、まあるくおさめて仁鶴師匠。」
執筆+作画:川田十夢
Posted: 4月 1st, 2010 | Author: TOM KAWADA | Filed under: NEWS, PUBLICATION, SERIAL | Tags: CBCNET, Dots & Line、, 川田十夢 | 1 Comment »

デザイン・アート情報を集めたクリエイティブ・ポータルサイト CBCNETにて、わたくし川田十夢が新連載を開始しました。その名もA Folk Dance DE VASCODAGAMA。タイトルの由来を話すと長くなりますが、ここで触れておかないと一生触れない気がするので、うっかり触れておきます。
まず、僕は新連載をはじめるまえに、Dots & Lineのインデックスで使われるプロフィール写真を撮ることにしました。他の連載陣は皆さんカッコいい路線なので、ここは何か一発スベっておいた方がいいだろうと。そこで、何かユニークなモノを持つことにしました。仕事場を見渡すと、ちょうどいいサイズのディジュリドゥが目に入りました。オーストラリアの原住民が発明した木管楽器です。楽器である以上、やはりそれを吹いている様を写真には収めるべきなのですが、それでは僕のクリエイティブの本質を表していない気がしました。だから僕は、ディジュリドゥで送りバントをする写真をプロフィール写真として採用しました。楽器を楽器として扱わず、新しい使い道を自分で発見して、それを基に新しい作品を作る。それを端的に表すのにベストな構図でした。
次にタイトルです。プロフィールまんまだとディジュリドゥで送りバントという事になりますが、ちょっとリズム感に欠けるかなと。○○で○○という構図だけ利用した全く別のタイトルを考えることにしました。フォークダンスDE成子坂みたいな、リズムが欲しい。じゃ、A Folk Dance DE VASCODAGAMAでいいじゃないかと。このタイトルにつながりました。この飛躍の部分を、よく人に説明してくれといわれるのですが。ほんの一瞬に閃いたことですし、そこはなんとなくとしか言いようがない。潜在的には、「ディジュリドゥで送りバントする行為は、ある意味アフォーダンスの一種としても考えられるかも知れない」「成子坂に近い母音と子音の連なりによる響きの気持ちよさを探してゆくとヴァスコ・ダ・ガマがベスト」「クリエイティブの本質は発見、インドへの航路を発見したヴァスコ・ダ・ガマの引用はタイトルとして座りがいい」など、きっと色々と考えたのだと思います。
この連載では、普段はあまり口外しない僕の中のクリエイティブの本質について真摯に語りつくしたいと思っております。読者自身の新航路発見につながりますように、願いと思いを込めて、ラブレターを書くつもりで連載を続けます。毎月、月末更新です。
CBCNET Dots & Line
A Folk Dance DE VASCODAGAMA
第一回 「人脈も山脈も、やっほーのひと声から。」
執筆:川田十夢